みたき園コラム

text by Naoko Kobayashi

Vol.12
少しあたらしい、みたき園

みたき園には、長年にわたり贔屓にしてくださるお客さまが多いです。何よりありがたいことだと思っています。加えて近年は、お若い方、外国からのお客さまも増えています。うれしいことに、そうしたあたらしいお客さまにも喜んでいただけています。
私たちの側も、あたらしいみたき園へと、少しずつ変化をしています。「あたらしいみたき園」といっても、本質的な部分を変えるつもりは決してありません。ただ、老舗の名店が、「昔と変わらず」の陰で、時代と共に僅かな見直しをおこなう不断の勇気と努力をもって伝統を守っている、そうした精神を、みたき園も持ちたいと願っています。食材や味をはじめ、常により良いみたき園らしさを皆で考え、おみやげ処やふるさと便の仕様も一部リニューアルしました。
けれど一番大きく変えたのは、実は働き方です。十数年前まで、みたき園には定休日というものがありませんでした。いつでもお客さまをお迎えできるようにとの創業者の考えに基づいてのことです。それを若女将の強い思いから、週に二日、今年からは日曜を含む三日連続の休園日も、ときどき頂戴しています。限られた人数で回す中、子育て中のスタッフもおり、自身の経験と重ねた若女将が、「どちらの自分も、そして家族も、大事にしてほしい」と、いわゆる書き入れどきに思い切って休園を決めました。お客さまにはご不便をおかけしますが、しっかり還元できるよう努めてまいります。
地域の大ベテランのほか、若手も、また、ネパールからの留学生のアルバイトスタッフも、共に「小さき花を、めでるように」を実践しています。そんな少しあたらしいみたき園も、どうぞよろしくお願いします。