みたき園コラム

text by Naoko Kobayashi

Vol.06

お茶の時間

みたき園では、もうずうっと昔から、10時と3時がお茶の時間と決まっています。厨房のスタッフも、お茶子さんも、みんなで休憩です。
さぞやこだわりの、美しいお茶の時間では?と想像してくださる方もいるのですが、そんな洒落たものではないんです。昔ながらの大きなアルミのやかんにお湯を沸かして注ぐのは、インスタントコーヒーです。カップは不揃いで、模様が剥げていても、少し欠けていても気にしません。夏には、やかんごと川で冷たく冷やしたお茶も登場します。集まりやすい厨房のほか、夏の暑い日には木陰で、冬の寒い日には火のそばで。
大きな缶に、おやつが入っています。普段は素朴なお菓子が多いですが、ありがたいことに、お客さまにお土産を頂戴することがありまして、ときには各地の素敵な銘菓が、お茶の友となります。
毎日いつものお茶の時間。みんなでおしゃべりしながらのお茶の時間。「仲がいいですね」とよく言われるのは、このお茶の時間にも、秘訣があるのかもしれません。
働く人が、いつかみたき園を卒業しても、このひと時が、懐かしく思い出されるといいなぁと、ちょっと思っています。