みたき園コラム

text by Naoko Kobayashi

Vol.05

にわとりとうさぎのいるところ

40年以上前、みたき園を始めたころから、にわとりとうさぎがいました。「動くものがいたらかわいい」と、生き物好きの園主。いまも毎朝エサをやりに来ています。
にわとりは、一般に飼育されている種類ではなくチャボです。小ぶりで足が短く、ちょっぴりずんぐりとした姿に愛嬌があるんですよ。夕方、「とーとーとー」と導かれておうちに帰るまでは放し飼い。コッコ、コッコ、ユーモラスな様子が子どもたちの人気者です。いろんな声色で鳴き、ときどきどうしても「おかあさーーん!」と聞こえるときもあります。そうそう、長く働いているお茶子さんは、卵を産んだと知らせる声を聴き分けるんです。いつもより張りのある、少し甲高い声なのだそうです。
古民家や、水車とせせらぎのある風景に、しっくりと馴染む姿。目にすれば、ふとこころがゆるんでやさしい気持ちになります。だからいるだけで、立派にお仕事をしてくれているんだと思っています。飼っているというより、大事な仲間です。いつまでも、にわとりとうさぎの似合う、みたき園でありたいです。