みたき園コラム

text by Naoko Kobayashi

Vol.03

みたき園の、ふるさと便

離れた方に、毎月お届けしているふるさと便。特段宣伝もしないので、知る人ぞ知る存在のまま、20年以上続けてきました。送料込みの5千円、手間に見合わないでしょうと言ってもらいながら、やってきました。
6月の便で30件の送り先用にこしらえた笹巻(笹の葉に包んだお団子)、使った笹の葉は2千枚でした。摘んできた葉に、こねたお団子を包んで蒸し上げます。手もみの新茶と、わらびと水ぶき、山野草との詰め合わせ。9月は、鳥取名産の20世紀梨とお月見団子、すすき、地野菜と山野草。穂が開ききってしまう前がきれいなすすきは、通り道、横目で確かめながら、タイミングをみはからって採りに行きます。敷地内で育つ原木椎茸をお入れする月もあります。この椎茸、ここではみんな、春のものを「春ちゃん」秋のものを「秋ちゃん」と呼ぶのですが、ほかでもそうなのでしょうか。
日時の指定はお受けできないふるさと便、洒落たラッピングもせず、持ち寄った新聞紙に包んで送る、どんくさいふるさと便です。それでもと言ってくださる方に、こころを込めて、お届けします。囲炉裏に火を入れる季節には、箱を開けるとふわっと囲炉裏の匂いがするそうです。

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